最初から、Zero Human Companyでは実行を人間の手から外したいと考えていた。これは実験の中でも最も分かりやすい部分であり、今まさにAIが最も速く進歩している領域でもある。だが、この会社を設計すればするほど、実行を自動化するだけでは足りないことがはっきりしてきた。

実行はシステムに渡せる。それでも、自分がいなければ何も動かない人であり続けることはできてしまう。私が避けたいのは、この罠だ。

AIは分析を作り、顧客に返答し、プロセスの次のステップを実行できる。それでもなお、コンテキストを渡し、案件をどこへ送るか決め、次のステップを起動する人が必要な場合がある。

人間による実行は減っている。それでも、接着剤は大量に残り得る。

前回の記事では、会社で人間が行う仕事を4つに分けた。接着剤、実行、判断、専門性だ。ZHCにとって特に重要なのは最初の2つだ。ただし、実行のほうが圧倒的に見つけやすい。実行する人は何かを生み出す。文書、返信、分析、請求書、設定、あるいはプロダクトの一部だ。接着剤はもっと見えにくい。会社の2つの部分が自力ではつながらないから存在する。

これは間違いなく仕事だ。だが私はますます、それを会社の設計にかかる税金のように考えるようになった。

接着剤はどんな形をしているのか

接着剤には1つの形しかないわけではない。会社のまったく違う場所で繰り返し現れる、いくつかの形が見えてきた。

引き継ぎ。 誰かが情報をある場所から別の場所へ動かす。顧客が営業に何かを伝え、営業がそれをプロダクト側へ渡す。

ステータス確認。 起きるはずだったことが本当に起きたか、誰かが確認する。開発はもう終わったのか。顧客はデータを送ったのか。

翻訳。 情報は存在するが、会社の次の部分が使える形になっていない。誰かが解釈し、整理し、別の場所で必要な言葉や形式に変換する。

コンテキスト。 システムには入っていないことを誰かが知っている。3か月前になぜその判断をしたのか、あるいは特定の顧客に例外対応を約束したことを知っている。

ルーティング。 次にどこへ回すべきかを誰かが知っている。その人自身が解決するわけではない。誰に渡すべきかを知っているだけだ。

照合。 2つの場所に少し違う現実が表示されていて、何が本当に正しいのかを人間が判断しなければならない。

実際には、これらの形はよく混ざり合う。ステータス確認はすぐに順番の管理になる。まず会社のある部分が終わり、その後で誰かが別の部分に知らせて、ようやく次のステップが始まる。

1つ1つの作業は小さいかもしれない。問題は、組織図には決して現れないこうした接続が、会社の中に何千も存在し得ることだ。誰も Head of Remembering What We AgreedVP of Asking Everyone If They’re Done を採用しない。それでも、毎日誰かがその仕事をしている。

接着剤を見つける方法

私はいくつかの言葉を、簡単な検出器のように扱うようになってきた。

「Kateに聞いて。彼女が知っているから」

「終わったら教えて」

「それもCRMに入れておいて」

「私が戻るまで、それは待って」

さらに面白いテストはこれだ。

特定の人が2週間いなくなったら、何が止まるだろうか。

その人にしか難しい仕事ができないからではない。その人だけが、今何が起きていて、何が足りず、次に何をすべきか知っているから止まるのだとしたら、そこにはおそらく接着剤がある。

接着剤は上に集まる

小さな会社には、自然と誰より多くのものにつながっている人が1人いる。創業者だ。顧客も、プロダクトも、これまでの経緯も、優先順位も知っている。複数の場所を同時に見渡せる唯一の人であることも多い。だから、組織がきちんと設計しなかった継ぎ目は、最終的に創業者へ集まりやすい。

小さな会社を作り、実行の大部分をAIに置き換えても、自分の仕事を最悪なものにすることはできる。創業者が1つ目のエージェントを動かし、その出力を2つ目に渡し、3つ目のためにコンテキストを足し、結果を確認し、次に何を起こすべきか決め、全体の状態を頭の中で覚えている。

人は減っている。人間による実行も減っている。だが、接着剤は消えていない。1人に集中しただけだ。

このシリーズの最初の記事「I Don’t Want to Be a CEO Again」を書いたとき、私は主に、オペレーションに溺れる典型的な創業者の役割を考えていた。今はもう少し正確に見える。もう二度とやりたくないことの大きな部分は、自分の会社の中心的な接着剤になることなのかもしれない。

自分で接着剤を作ってしまうこともある

すべての継ぎ目が不完全なシステムから生まれるわけではない。創業者自身が作ることもある。会社は次のステップへ進めるのに、こう言う。

「送る前に見せて」

「すべての値引きを自分が承認したい」

「全部、自分を通して」

このとき人間が接着剤になるのは、その人なしではシステムが先へ進めないからではない。単に、システムが先へ進むことを許されていないからだ。ここで私は、コントロールと参加をますますはっきり分けて考えるようになった。

私は、すべての操作に参加しなくてもシステムをコントロールできる。境界、上限、エスカレーションが必要な状況を定め、例外が起きたときだけ介入できる。全体をコントロールするために、すべての遷移に参加する必要はない。

接着剤を見つけることと、取り除くことは別の問題だ。

今では、それがどこに隠れ、なぜこれほど簡単に創業者へ集まるのかが見えてきた。

次の記事では、診断から設計へ進む。