接着剤に対する最も単純な答えは、自動化することだ。人間が情報を運んでいる? エージェントにやらせればいい。人間がステータスを確認している? ワークフローを追加すればいい。人間がコンテキストを渡している? AIにやらせればいい。

だが、そうすると新しい技術を使って同じ間違いを繰り返しやすい。人間をシステムに置き換えても、会社そのものの設計は以前と同じままなのだ。

今、私が興味を持っているのは別の問いだ。誰かが埋め合わせる前に、その継ぎ目はどこから生まれるのか。

前回の記事では、この問題に名前を付けようとした。会社は人間による実行をどんどん減らしても、各部分の間の連続性を保つ人間を必要とし続けることがある。そして、その接着剤が創業者へ集まり始めると、問題はさらに大きくなる。

ここからもう一歩進みたい。接着剤を見つけるだけではなく、会社の設計の何が、それを必要にしているのかを理解したい。

手順とプロセスは、接着剤を減らす最初の戦いだった

この問題はAIと一緒に生まれたわけではない。企業は何十年も、手順やプロセスを使ってこれを減らそうとしてきた。チェックリスト、CRM、承認マトリクスなどだ。どれも似たことを目指している。会社の動きが、特定の人が何を覚えているかに依存しないようにすることだ。

良い手順は、より経験のある人に聞かなくても何をすべきか教えてくれる。良いプロセスは、仕事がある場所から次の場所へどう移るかを定義する。だが、この方法には限界があった。

手順と従来の自動化は、現実があらかじめ想定された項目やルールの中に収まる限り、とてもよく機能した。変わったメールが届いたり、データが欠けていたり、誰も文書化したことのない状況が起きたりすると、システムは止まった。

「マネージャーに聞いて」

そして人間が再びプロセスの中に戻ってきた。

AIはここで2つのことを同時に変える。まず、ソフトウェアは構造化されていない現実を扱うのがずっと上手くなっている。メッセージを読み、意図を理解し、コンテキストを抽出し、厳格なフォームがなくても案件を適切な場所へ送れる。

次に、AIは接続そのものを作る経済性を変える。長い間、専用の連携を発注し、開発し、保守するより、人間が毎日2つのシステム間でデータを移すほうが安いことがあった。今では、小さなコネクタ、ワークフロー、APIアダプターを作ることが、比較にならないほど簡単になり得る。

長い間、人間はシステム間をつなぐ最も柔軟なアダプターだった。だが、ますます最も安い選択肢ではなくなっている。

会社は人間を自分の記憶として必要とすべきではない

ZHCを設計していると、私は特に大きな接着剤の源へ何度も戻ってくる。それが状態だ。

ここでいう状態とは、会社がいくつかの基本的な問いに明示的に答えられることを意味する。何が存在するのか。どの状態にあるのか。何がすでに起きたのか。そして次に何が起きるべきなのか。

どんな会社にも何らかの状態はある。問題は、それがCRM、メール、チケット、文書、会話、そして人間の頭の中に散らばっていることだ。顧客が待っていることを誰かが知っている。どの情報が最新版なのかを誰かが突き止めなければならない。

システムの次の部分が、何が存在し、何を待っていて、次に何をすべきかを明確に見られないなら、それを説明する人間が必要になる。そして、その人間が接着剤になる。

状態がきちんと明示されているだけで、会社が自律的になるわけではない。だが、会社が人間を自分の記憶として必要としなくなる。

これは、ZHCが初日から完全に自律していなければならないという意味ではない。人間は引き続き判断し、行動を開始し、方向を決めてもいい。ただし、システムが自分の現在地を知るためだけに人間が必要であってはならない。

Zero Human Companyを作る必要はない

この考え方を使うために、従業員のいない会社を作る必要はない。次の問いを投げかけるだけでもいい。

人間が必要なのは価値ある仕事をしているからなのか。それとも、会社が自分自身の断片を縫い合わせるために人間を必要としているからなのか。

Zero Human Companyはこの問いをさらに先へ進める。誰が仕事を実行するのかと、その仕事同士を何がつなぐのかは別の問題だ。AIは両方を助けるが、どちらも自動的には保証しない。

すると、4つの組み合わせがある。

人間による実行が多く、接着剤も多い。 典型的な小規模企業。

人間による実行が多く、接着剤は少ない。 よく設計された従来型の企業。

人間による実行が少なく、接着剤は多い。 創業者が手作業でエージェント同士をつないでいる。

人間による実行が少なく、接着剤も少ない。 ZHCが目指す方向。

AIはますます多くの実行を直接引き受けている。同時に、接着剤を減らす助けにもなる。構造化されていない状況を解釈し、システム間の接続を作るコストを下げられるからだ。

だが、あらゆる場所で人間を接着剤として必要とするよう設計された会社を、AIが自動的に直してくれるわけではない。

外科医ではなく、建築家になる

既存の会社には、白紙から始める贅沢はない。顧客も、手順も、古いシステムもある。すでに存在する接着剤を見つけ、慎重に取り除かなければならない。ときには外科医である必要がある。

Zero Human Companyでは、私には別の選択肢がある。建築家になろうとすることができる。

こう問う代わりに、

この作業をしている人間をどう自動化するか。

まず、こう問える。

そもそも、なぜこの作業は存在するのか。

なぜ情報を手作業で移さなければならないのか。なぜ誰かが状態を覚えていなければならないのか。なぜシステムの次の部分は、自分が何をすべきか分からないのか。

接着剤の一部に対する最良の自動化は、人間をエージェントに置き換えることではないのかもしれない。

最良の答えは、その継ぎ目が最初から接着剤を必要としないようにすることかもしれない。

これまで私は、こういう会社が何からできているべきかを理解することに主に取り組んできた。今度は、その仮説を実際に試す番だ。

では、会社の設計は本当はどこから始まるのだろうか。

最初のサポートチームからではない。

最初の人を採用するときでもない。

最初の顧客が現れたときですらない。

外科医ではなく建築家になりたいなら、もっと早く始めなければならない。

プロダクトが存在する前から。